以下は、ページ内を移動するためのリンクです。

社会性報告

お客さま・お取引先とともに

オープンイノベーションの推進

2016年度からオープンイノベーションを推進する企画部門を設置し、オープンイノベーションにかかわる社内基金の運用、ベンチャーキャピタル情報、日本のビジネスマッチング情報の展開を推進しています。オープンイノベーションという戦略的な手法により、例えば未上場成長企業への投資ファンドであるベンチャーキャピタルや、ニーズとシーズを企業間に紹介するビジネスマッチングなどの外部機関の力、資源を活用し、技術ライセンスの取得、M&Aや共同開発、相互販売などの業務提携を積極的に行い、事業化スピードの迅速化を図ります。

2015年12月には、量子ドットの最大手であるNanosys, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、President & CEO:Jason Hartlove)から、量子ドットを使ったフィルム化技術等の導入を行い、開発スピードを加速しました(量子ドットフィルムは従来の液晶ディスプレイ製造プロセスを大きく変更することなく、色彩鮮やかな画像表示に貢献します)。

また、2016年3月より、PCT, LLC, a Caladrius Company(本社:米国、ニュージャージー州、President:Robert Preti、以下、PCT)への出資を通じて、再生医療用細胞の受託製造事業に参画しました。再生医療は、けがや病気で損傷した臓器および免疫の機能を回復させるため、体外で培養するなどした細胞を体に移植する治療法です。PCT社受託製造事業に関する技術およびノウハウの供与等を受けて、2018年度をめどに日本国内向けの事業に参入する計画です。

日立化成のオープンイノベーションの概要

日立化成のオープンイノベーションの概要

材料技術力の強化

日立化成は、4つの源流製品開発で培われた有機・無機化学にまたがる深い材料ノウハウと、製品を進化させる過程で生み出された多彩な技術をボーダーレスに複合・融合させることで、価値を提供してきました。求められる機能を実現する「材料技術」、製品をムダなく効率的に製造する「プロセス技術」、的確なデータ分析により次の一手を導き出す「評価技術」。これら3つの基盤技術を原動力として新製品・新事業の立ち上げを加速させ、グローバル社会の抱えるさまざまな課題に対し、新たな「驚き」で応えていきます。

グローバルな事業展開

海外市場、特に新興国市場の需要を獲得するため、日立化成は各地域で積極的な設備投資を行うとともに、現地の需要動向に即したマーケティング戦略のもと、研究開発・製造・販売活動に取り組んでいます。その一環として、重点地域については、地域統括機能を有する現地法人を設立し、各地域における効率的な経営・事業運営体制の構築をめざしています。

日立化成グループ・アイデンティティを踏まえて、持続的な成長の実現のために描いた「10年戦略」では、10年後のありたい姿を「高機能材料を基軸にデバイス、システム/サービスまでグローバルに事業を展開する化学を超えたイノベーション・プロバイダー企業」と定義しています。また、2018中期経営計画(2016〜2018年度)では、基本方針の一つとして、グローバル事業の強化を掲げ、ニッチ&クラスター型事業構造への変革により、グローバルトップシェア事業を育成するとともに、ベンチャー企業、お客さま、販社など事業を取り巻くステークホルダーと連携してオープンイノベーションを推進することで、事業化の加速に取り組んでいきます。

ニッチ:利益率が高く、戦略的意義から規模が小さくても継続すべき事業
 
クラスター:グループ化することで、グローバルで勝つための戦略を共有できる事業グループ

地域統括機能の強化

日立化成は、各地域の市場の特質や変化に機動的に対応するため、重点地域における地域統括会社の設置を進めています。

2011年4月、日立化成では初の海外での地域統括会社として、中国に日立化成(中国)投資有限公司を設立し、中国に進出している連結子会社の事業運営一体化、ガバナンスの強化に取り組んでいます。その後も計画的に地域統括機能の検討を進め、タイで自動車部材、蓄電システムなどの事業を行っている連結子会社5社を統合し、Hitachi Chemical Asia (Thailand) Co., Ltd.を設立しました。また、米国で電子材料、自動車部材、診断薬の事業を行っている連結子会社4社の経営をHitachi Chemical Company America, Ltd.が統括することにし、両社とも2015年4月1日に発足しました。

引き続き、市場成長が期待される重点地域において、顧客に近い拠点でビジネスチャンスを迅速に取り込むための体制を強化し、グローバル事業の拡大につなげていきます。

グローバル営業体制の強化

日立化成は、お客さまのサプライチェーンのグローバル化への対応や、新市場への展開のため、海外グループ会社のリソースを活用しつつ、営業・マーケティング体制の強化に取り組んでいます。

2016年度は、お客さま別の拡販体制のいっそうの強化に向け、市場軸と地域軸の双方向から営業・マーケティング活動を行うための組織改編を行いました。また、2015年1月に連結子会社化した、Hitachi Chemical Energy Technology社の営業部門とともに、新興国・地域向けおよび再生可能エネルギー関連市場向けの共同拡販体制を強化しました。2017年度は、2017年2月に連結子会社化したFIAMM Energy Technology社と、自動車用・産業用鉛電池の拡販に向け、共同拡販体制の強化に取り組みます。

新事業創出

新事業創出

@新事業推進センタ
マーケティングによるテーマ創出から事業化までの一連のステージをスピーディかつ機動的に実行するために、2017年度からは新事業推進センタをイノベーション推進本部へ移管、また戦略企画部をマーケティングセンタと先端技術研究開発センタの企画組織として分割・再編しました。新事業推進センタに新事業企画グループを新設し従来の分掌になかった、QOL向上事業領域、サステナブル環境産業領域等の新事業の企画、戦略立案、事業化支援を行い、Super-Xやオープンイノベーションから導かれるテーマから事業化を推進します。

A顧客協創の場、イノベーションセンタ
2017年1月、お客さまとの未来の事業を協創する場として、東京駅に隣接した地にイノベーションセンタを開設しました。当社の技術を展示し、お招きしたお客さま、将来のお客さまたちとの活発な対話による新製品・新事業の創生を推進します。また部門横断メンバーによるイノベーションセンタ運営委員会では場の質の向上を図っていきます。

Bマーケティングセンタ
イノベーション推進センタを「マーケティングセンタ」と名称変更し企画グループを新設するとともに、マーケティング推進グループの名称を「マーケティンググループ」と変更しました。事業部、研究開発、ならびに日本、グローバルの営業・マーケティング関係者との連携を強化します。

Cビジネスデザイン思考のテーマ設定
オープンイノベーションを含む多角的な情報収集と潮流・市場分析と検証、各バリューチェーンの明確化など、ビジネスデザイン思考でのマーケティング活動を標準化し、新事業創出の加速と成功確率の向上をめざします。

D先端技術研究開発センタ
中長期の新事業を支える要素技術開発を加速化するため、コア技術革新センタの名称を「先端技術研究開発センタ」と名称変更しました。戦略企画部を設置し、研究企画の戦略強化、(開発統括本部)との研究開発マネージメントプロセス開発の推進、ビジネスデザインおよびオープンイノベーション活動を推進します。

E新事業創生プロジェクト(Super-X)の推進
プロジェクト化による、経営層直下の研究開発マネジメントで、新事業創生強化・加速を推進しています。Super-Xプロジェクトは、当社が保有する先端技術を融合させ、当社従来事業の延長線上にない大型新規事業を創出するプロジェクトです。

社会的ニーズに応えるためのビジネス・プログラム

日立化成グループは、10年戦略において、「クオリティオブライフ(QOL)向上」と「サステナブル環境実現」の2つの社会的ニーズを、日立化成グループが実現する価値として定め、さまざまなプログラムを実施しています。

「クオリティオブライフ(QOL)向上」については、患者さまの負担を減らしてQOLの向上に貢献するため、がん免疫療法などの再生医療の拡大が期待されています。日立化成グループは、再生医療への進出を長期的な成長に向けた経営上の重要戦略と定め、グループ一体となって施策を進めています。その中で、日立化成グループがライフサイエンス事業で培ってきた製造管理・品質管理に関するノウハウや、半導体用材料事業を通じて得られたクリーンルーム内での製造技術と、新たにグループ会社となったPCT社の知見とを融合させることにより、再生医療という最先端の医療分野において、品質に優れ、高い安全性を持つ製品を製造する技術を確立し、患者さまのクオリティオブライフの向上に貢献しています。2016年度は、再生医療用細胞の受託製造というプログラムについて、社会へ提供する価値を金額換算で評価しました。

「サステナブル環境実現」については、省エネの観点から自動車で発生するCO2をコントロールする動きや、使用材料における有害物質規制から環境に配慮した材料、石油や天然ガスなど化石燃料、金属類などの地下資源の減少などの問題から、エコカーの開発が求められています。日立化成グループは、環境対応自動車部材の製造を短期から長期にわたる経営上の重要戦略と定め、グループ一体となって施策を進めています。その中で、日立化成グループの、樹脂成形技術や銅の含有量を抑えた摩擦材(銅フリーブレーキパッド)の技術などは、お客さまが製品を使用する際の環境性能を大幅に向上させています。2016年度は、樹脂バックドアモジュール、銅フリーブレーキパッドについて、社会へ提供する価値の大きさを金額換算で評価しました。

2016年度に社会的価値の大きさを評価したプログラム
ニーズの
種類
グループレベルの活動名 展開している国・拠点数 評価した
プログラム
対応する社会的ニーズ Outcome
(社会的価値)定性
社会的
ニーズ
クオリティオブライフ(QOL)向上
再生医療への進出
全拠点(100%)
(QOL向上は10年戦略で掲げており、グループ全体の活動として展開していきます。)
再生医療用細胞の受託製造 患者の負担を減らしてQOLの向上に貢献するため、がん免疫療法などの再生医療の拡大が期待されています。 がんによる生産人口減少による生産力の確保
がん免疫療法による医療費の削減
環境
ニーズ
サステナブル環境実現‐
サステナブルエンジニアリングの推進
全拠点(100%)
(サステナブル環境実現は10年戦略で掲げており、グループ全体の活動として展開していきます。)
環境対応自動車部材の製造 省エネの観点から自動車で発生するエネルギーをコントロールする動きや、使用材料における有害物質規制から環境に配慮した材料、石油や天然ガスなど化石資源の減少などの問題から、エコカーの開発が求められています。 樹脂バックドアモジュール:軽量化による省エネルギー
銅フリーブレーキパッド:摩擦粉中の銅飛散による水質汚染の防止

サステナブルエンジニアリングの推進(環境配慮製品の供給)

日立化成は、環境価値の高い製品・サービスで地球環境への負荷低減をはじめとする環境課題解決に貢献する取り組み(サステナブルエンジニアリング)を推進しています。コアコンピタンス(基盤技術)を複合、融合させ、環境に優しい製品・技術を生み出すことで、気候変動問題をはじめとする地球規模の社会問題の解決をめざしています。

持続可能をかげで支える日立化成グループの取り組みのイメージ図

2016年度の取り組み

サステナブルエンジニアリングは、サステナブルビジネスの根幹を成す、日立化成の技術力の集積です。サステナブルエンジニアリングの中核となるのは事業のイノベーションです。基盤技術の複合・融合を通じて、地球への影響・負荷を最小限におさえ、環境課題解決に貢献することをめざしています。高い機能性とコスト優位性を兼ね備えた、環境価値の高い製品を積極的に市場に投入し、競争が激化しているサステナブル技術分野における日立化成の市場ポジションを高めていきます。

2015年度までは、日立グループの環境配慮基準を満たした環境適合製品を 「サステナブルエンジニアリング製品」として、開発と拡大を推進してきました。2016年度からは、定義を改め「環境配慮製品」として売上収益比率を指標化しています。2016年度の売上収益比率は69%となりました。

年度 2012 2013 2014 2015 2016
環境配慮製品売上収益比率(%) 71 66 70 74 69

また、2016年度は、環境価値の高い製品の事業機会をさらに創出するため、事業戦略上の重点製品(群)である16製品(群)を選定し、環境価値の数値化(見える化)を開始しました。これらの対象製品(群)の機能あたりの資源使用量削減率を指標として、製品の機能向上と資源使用量の削減を両立し、環境負荷低減へ貢献していきます。2010年度製品を基準とし、2018年度までに機能あたりの資源使用量削減率20%達成を目指します。

サステナブルエンジニアリング推進活動の実績
年度 2016
機能あたりの資源使用量削減率(%) 16.9

サステナブルエンジニアリング製品例

環境対応モビリティ・燃費改善機構用粉末冶金製品

環境対応モビリティ・燃費改善機構用粉末冶金製品

年々強化される自動車の環境規制に対応するため、自動車メーカー各社はエンジンの改良や電動化に注力しています。日立化成は、形状と材料の自由度が高い粉末冶金製法により、エンジン用をはじめとしたさまざまな粉末冶金製品を提供しています。写真の製品は、その一例です。エンジンの吸排気バルブの開閉タイミングを最適に可変させることで、排気ガスを低減し、燃費や出力の改善に貢献するもので高い評価を得ています。

環境対応ディスクブレーキパッド

環境対応ディスクブレーキパッド

ディスクブレーキパッド(DP)は、自動車や二輪車のブレーキに組み込まれ、車輪とともに回転するディスクを両側から挟みこんで車両を停止させる部品です。ブレーキ制動時にDPに含まれる銅などの物質が混ざった粉塵が発生し、それが路面から河川に流れ込み、水質汚染の原因になる可能性が課題とされています。これを防ぐため、アメリカでは、2021年からDPの銅の含有量を規制する法律が施行されることが決まっています。一般的に、DPの耐磨耗性を高め、より長期間性能を維持させるために銅が使われていますが、日立化成は、機能を複数の素材で補うことで銅の含有量を抑え、規制の基準を満たしながら耐摩耗性を維持できる環境対応DP(※1)を開発しました。環境配慮性と機能性の両立により、環境対応DP1個あたりの平均銅使用量を2010年度製品比で75.9%削減しました。

※1
銅を含有しない銅フリーDP、銅含有量を低減させた銅レスDP
  • ページトップへ