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社会性報告

従業員とともに

ダイバーシティの推進体制

当社はダイバーシティ推進(Diversity and Inclusion)を、競争優位を築くための経営戦略の一つと位置付けています。

グローバル化が加速され、ますます変化が激しくなる市場環境のもとで価値のある企業であるためには、性別、国籍、年齢、障がい、性的指向などにかかわらず、多様な人財がその能力・発想・価値観を発揮するとともに、その力を束ねることでイノベーションを起こし、ソリューションを生み出し続けることが必須であるからです。日立化成本社に設置されたダイバーシティ推進専任部署を中心に、経営姿勢、環境・意識、制度などの面から、さまざまな施策に取り組んでいます。

2016年度、執行役全員がオーナーとして参画するダイバーシティ推進プロジェクトは従来の「日立化成単体の女性活躍推進支援」に加え、「外国籍社員」「LGBT」などにもスコープを広げました。管理職向けの研修も「多様な部下マネジメントのための研修」に内容を更新し、女性部下ばかりでなく外国籍社員、LGBT社員、ミレニアム世代と言われる若手社員が直面する課題を認識しながら、マネジメントできるヒントが得られるものとしました。NPO法人虹色ダイバーシティのLGBT当事者を講師に迎え、人事担当者向けの講演会も開催しました。外国籍社員にはグループインタビューを実施し、それぞれの抱く不安や課題、会社に期待することを調査しました。

また、「長時間残業縮減」「在宅勤務利用拡大」などの施策を、より広い観点で捉えなおし、「働き方改革プロジェクト」として統合し、3名の執行役のほか、事業部門長や事業所からの代表が参画する全社横断的なプロジェクトとしました。その一環で、国内日立化成グループの間接業務員全員へ参加を呼びかけ、それぞれが自分自身と部門のありたい働き方を議論する「働き方ワークショップ」を実施しました。

日立化成は今後もダイバーシティ推進に関する具体的な数値目標を設定し、社内外に公開するなど、従業員の一人ひとりが経営戦略としてのダイバーシティ推進を正しく理解し、行動変革に結び付けていきます。今後も各施策の効果を定量的に測定し、PDCAサイクルを回していきます。

女性社員の活躍推進

2016年4月に女性活躍推進法が施行されました。日立化成グループでも日立化成、日立化成オートモーティブプロダクツ、日立化成テクノサービス、日立化成エレクトロニクスが行動計画を策定、届出を実施し、情報の公開を行っています。

なでしこ銘柄ロゴ

2016年度、経済産業省・東京証券取引所より「女性活躍推進に優れた企業」として「なでしこ銘柄」に選定いただいたほか、大阪市女性活躍リーディングカンパニーの認証を受けました。

なでしこ銘柄

なでしこ銘柄企業集合写真(METI事務局提供)

日立化成では2016年度より、@技術系新卒女性の採用比率 A新卒入社後3〜7年の男女総合職社員の離職率 B女性管理職比率 C残業時間 などに関し目標を定め、ダイバーシティ推進プロジェクトを中心にさまざまな施策を実施しています。女性部下の育成とマネジメントを中心とした男性管理職セミナーには延べ500人以上が参加しました。受講半年後にフォローアンケートを実施し、確実に意識・行動変革に結びついていることを確認しています。女性社員が早いうちから自身のキャリアについて考える場として、入社3年目の総合職女性全員をキャリアデザイン研修に派遣しています。日立化成グループ女性社員向けのワークショップは身近なロールモデルを見つけ、女性同士のネットワークを築く機会として好評を得ました。生産技術系、営業といったまだまだ女性の少ない職種の女性総合職を対象に異業種交流会も開催しています。これらの活動を通じ、女性のキャリア意識は着実に変化してきています。2015年のダイバーシティ意識調査に加え、2016年度は総合職女性全員とその上司計350人以上への個別ヒアリングを通して、性別による役割意識、働き方など女性活躍推進への課題がさらに明確になりました。管理職、女性自身の意識変革とともに、コアタイムを設けないフレックスタイム制度、事由・日数の制限のない在宅勤務制度など、より柔軟で働きやすい環境づくりも進めています。今後は日立化成グループ全体への浸透をめざしていきます。

また、日立化成では、2005年度から女性総合職社員の採用数を拡大しています。女性社員が、会社のホームページや事業所見学会、女子学生を対象としたキャリアセミナーで、BtoB企業で働く魅力やライフイベントに際してのキャリアの考え方を自身の言葉で語るなど、特にイノベーションの直接の担い手である技術系女性が日立化成で働くイメージを持てるよう施策を展開しています。この結果、2015年度は11%であった技術系新卒女性採用比率が、2017年度採用では30%近くになりました。また、2016年度は総合職全体に占める女性社員比率は8%なのに対し、20代、30代の女性社員比率は18%に達し、女性管理職人数も2011年度比で4倍以上となり、比率も3%を超えました。引き続き、採用・育成を通して人財プールを充実させ、継続的に、女性社員が日立化成グループの新製品開発や中長期的な経営戦略策定に参画するなど、多様な価値観や視点が経営施策に反映される組織としていきます。

女性管理職比率
年度 2012 2013 2014 2015 2016
女性管理職
(課長相当職以上)
人数 10 13 14 22 csr_check25
比率(%) 1.8 1.9 2.0 2.7 csr_check3.1
女性プレ管理職
(係長相当職)
人数 11 15 21 18 csr_check18
比率(%) 2.2 2.6 3.8 2.9 csr_check2.6

(数字は日立化成単独)

2016年度における、女性の基本給と報酬総額の対男性比(管理職のみ)
基本給比率(女性/男性) 報酬総額比率(女性/男性)
96.4% 94.1%

※男女同一の処遇を行っており、差は年齢構成・等級構成による。

プロジェクトオーナー執行役からのメッセージ

プロジェクトオーナー執行役からのメッセージ

男性管理職を交えたグループディスカッション

ダイバーシティ推進プロジェクト主催イベント

外国籍社員の採用

日立化成は、採用にあたり、国籍を問わない採用・処遇の決定を行っています。

海外や日本で実施される留学生向けのキャリアフォーラムに積極的に参加することで、優秀な人財の採用につなげており、2016年度入社の新入社員のうち、外国籍従業員の比率は約7%(単独)を占めました。急速にグローバル化が進展する事業環境を踏まえ、今後も多様性に富んだ人財を積極的に採用していきます。

また、就労許可証や雇用ビザが必要な場合は、そのための書類準備のサポートなど、外国籍従業員に対する配慮を行っています。

さらに、研修派遣や評価統一などにより、国籍を問わない日立化成グループ内での社員育成を積極的に進めていきます。

障がい者雇用の促進

日立化成は、障がい者に社会参加の機会を積極的に提供するために、障がいを持つ従業員の職域拡大や施設の改善を進めています。

2016年度の障がい者雇用率は、連結(日本のみ)(50人以上、13社)2.45%、日立化成単独2.25%となり、いずれも法定雇用率を上回りました。今後もグループ会社を含め情報共有を図りながら、障がい者雇用の促進に取り組みます。

障がい者の雇用率
年度 2012 2013 2014 2015 2016
連結(日本のみ)(%) 2.18 2.27 2.39 2.44 2.45
日立化成単独(%) 2.02 2.06 2.09 2.16 2.25

再雇用の促進

当社は、60歳以降の再雇用社員制度を2001年に整備しました。豊富な経験・スキルを活かして定年退職後も活躍してもらうために設けたもので、少子高齢化の進展とそれに伴う厚生年金の支給開始年齢の引き上げなどの社会の動向にも対応し、年金支給開始年齢まで意欲のある方が働き続けられる制度となっています。

この制度は、60歳の定年時に本人が再雇用を希望し、また会社があらかじめ提示した条件に同意した場合に再雇用するもので、高年齢者雇用安定法に合わせて最長65歳まで延長でき、2017年3月末現在で158人がこの制度を活用して働いています。

人財の定着に向けた取り組み

日立化成では、人財の定着に向け、公正かつ公平な人財評価やキャリア形成支援、さまざまな対話などを実施しています。

特に、その差が縮まってきたとはいえ、女性総合職の離職率が男性と比較して高い状況にあります。女性管理職が少ないことによるロールモデルの不在、上長とのコミュニケーション不足、女性総合職のキャリアアップに必要な育成機会が不十分と認識しています。そのため、女性総合職のキャリア形成を支援し、人財定着に向けたさまざまな施策を実施しています。

女性総合職向けのキャリア研修を階層別で実施し、自身のキャリアについて振り返り、将来について考えるきっかけとしています。また、自身の中長期のキャリアについて、上長と話し合う機会を設けています。さらに、日々の仕事を通じた成長がキャリア開発の原点という考えのもと、期や年度ごとの目標について上長と合意して決定することにしています。

そのほか女性社員のキャリア支援を効果的に行うことができるようにコーチングをベースとしたコミュニケーションを取り入れ、男性管理職の意識改革のための研修も行っています。これらの取り組みは女性社員ばかりでなく一人ひとりのバックグランドやキャリアデザインを尊重することで従業員全体の定着に寄与するものと考えています。

ダイバーシティマインドの醸成

日立化成は、ダイバーシティを競争優位を築くための経営戦略と位置付け、社内外に取り組みを発信し、ダイバーシティマインドの醸成に努めています。

「部下のライフを尊重し、自身もライフを楽しみながら部下を育成し、組織目標を達成できる『イクボス』」増産にむけ、2016年度は「イクボス企業同盟」に加盟しました。女性、外国籍、障がいを持つ管理職の存在や、本社だけでなく、開発部門で始まったフリーアドレス化も変化を感じさせるものです。2015年度に実施した男性育休取得キャンペーンの結果から「育休5日間を有給休暇化」し、「配偶者出産休暇」と合わせて男性にとっても育児に参加しやすい環境づくりに努めています。2016年度、新たに裁量労働勤務制度を導入しました。執行役も利用するなど、理由、職位や日数制限のない在宅勤務制度利用も広がりつつあります。

また、グループワイドで間接員が参加した「働き方ワークショップ」では、「ありたい働き方」実現のため700を超える提案が出されました。イントラネットの社長のメッセージサイトでは2度にわたり社長自身の言葉で「働き方改革」の重要性を述べたところ、アクセスは延べ1万を超えました。社員からのコメントも多く寄せられるなど、経営陣、社員双方の「働き方改革」への関心の高さを物語っており、2017年度「働き方改革」専任組織設置につながりました。

過去に囚われない柔軟な発想のもと、新たな「働き方」へと舵を切ることで、よりイノベーションの創出しやすい組織につなげていきます。

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