
日立化成工業株式会社(本社:東京、執行役社長:長瀬 寧次、資本金:154億円)は、この度、環境対応高耐熱高周波多層材料「MCL-HE-679G」(以下、本製品)を開発し、プリント配線板用銅張積層板のラインアップを拡充しました。本製品は本年6月より量産を開始し、売上拡大を目指します。
近年における電子材料市場では、情報の大容量化、高速処理化の進展に伴い、高周波対応配線板材料として、優れた誘電特性(*1)による配線間のノイズ発生の抑制や、誘電正接(*2)を低くすることによる信号の伝送損失の軽減に加え、鉛フリーはんだ工程に対応可能な耐熱性に優れた材料が求められています。また、ここ数年の環境意識の高まりから、それらの信頼性に加え、環境に配慮したハロゲンフリー材が求められるようになってきました。
そこで当社は、高周波対応配線板材料の中でも、今後、欧米企業や日本企業で拡大が期待されるネットワーク機器部品や、高周波部品用プリント配線板等に使用されるミドルレンジ(誘電率(*3)3.7〜4.3)向けの製品を新たに開発しました。本製品は、当社がこれまで培ってきた樹脂の設計・配合技術を駆使し、新たな樹脂システムを開発することにより、お客様のニーズに対応する優れた電気特性と信頼性を確保しつつ、ハロゲンフリーを実現した環境対応高耐熱高周波多層材料です。
当社は高周波対応配線板材料として、ハイレンジ(誘電率3.6以下)向けに低誘電正接高耐熱多層材料「MCL-FX2」「MCL-LX-67Y」、低伝送損失材料「MCL-LX-67F」、ハロゲンフリー低誘電多層材料「MCL-LZ-71G」を販売していますが、今回開発したミドルレンジ向けの本製品をラインアップに加え、国内外の多くのお客様にご紹介し、拡販に努めて参ります。そして、本製品で2010年を目処に年間30億円の売上を目指します。
なお、本製品は、6月11日〜13日まで東京ビッグサイトで開催される、JPCA Show2008の当社ブースに出展する予定です。
以上
| *1 誘電特性とは | : | 信号の伝送に影響する誘電率や誘電正接等の値の総称。 |
| *2 誘電正接とは | : | 信号の伝送損失を表す指標。誘電正接が小さいほど伝送損失が少ない。 |
| *3 誘電率とは | : | 信号の伝播速度に与える因子。誘電率が小さいほど伝播速度が向上する。 |
<ご参考>
【本製品と一般材の数値比較】
| 項目 | 条件 | 単位 | MCL-HE-679G | FR-4(一般グレード) |
|---|---|---|---|---|
| 難燃システム(*4) | — | — | ハロゲンフリー | ハロゲン |
| 誘電率(1GHz) | IPC-TM650_2.5.5.5 | — | 4.0 | 4.1 |
| 誘電正接(1GHz) | IPC-TM650_2.5.5.5 | — | 0.009 | 0.020 |
| ガラス転移温度(*5) | TMA法 | ℃ | 185 | 125 |
| 熱膨張係数(*6) | 厚み方向(<Tg) 厚み方向(>Tg) |
ppm/ ℃ |
40 200 |
55 280 |
| 熱分解温度(*7) | TGA法、5%重量減少 | ℃ | 380 | 310 |
| *4 難燃システムとは | : | 難燃化するための樹脂の配合。 |
| *5 ガラス転移温度とは | : | 基板に使用されている樹脂が脆く堅い状態(ガラス状態)から粘性のある柔らかい状態(ゴム状態)に状態遷移する温度。耐熱性を表す基準1つで、数値が高いほど耐熱性に優れる傾向にある。 |
| *6 熱膨張係数とは | : | 基板に熱を加えた際の膨張率を縦・横・厚さ方向で測定したもの。数値が小さいほど熱膨張が少ない。 |
| *7 熱分解温度とは | : | 温度を徐々に上げていった際、プラスチックの重量減少が始まる温度。ここでは、5%重量が減少する温度。耐熱性を表す基準の1つで、数値が高いほど 耐熱性に優れている。 |