日立化成株式会社

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ニュースリリース

2011年7月21日
日立化成工業株式会社

様々な基板にパターニング可能な転写形透明導電フィルムを開発 − 顧客の加工プロセスを短縮し、生産効率の向上に貢献 −

日立化成工業株式会社(本社:東京、執行役社長:田中 一行、資本金:155億円)はこのたび、各種基板に転写・接着でき、フレキシブル性に優れ、フォトリソグラフィーによるファインパターニングが可能な上、表面抵抗値10〜250Ω/sq(オーム/スクエア)(注1)、全光線透過率85〜91%(注1)と、導電性と高透明性を両立するタッチパネル用転写形透明導電フィルムを開発しました。2012年9月までに数十万㎡/月の生産体制を整え、今後は有機EL、電子ペーパーや、太陽電池といった幅広い分野への用途展開を積極的に図り、2015年度に年間売上高60億円を目指します。

近年、スマートフォンやタブレットPCの市場拡大を背景に、それらの材料であるタッチパネル向け透明導電フィルムの需要が急拡大しています。現在のタッチパネルの透明導電膜形成には、主にガラス基板にITO(酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide))を成膜する方法が一般的に用いられています。ガラス基板は、割れやすい、重いといった課題があるため、解決方法としてポリカーボネート(ポリカ)フィルムや、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の、軽量かつフレキシブル基板への代替が進んでいます。しかし、ITO被膜は曲げに弱いほか、画面サイズの大型化に伴い配線抵抗値を増加させてしまう問題がありました。また、ITOを成膜する際には蒸着やスパッタリングなどの真空プロセスが必須のため、設備投資や加工費の低減が難しい等の問題もあり、各種フレキシブル基板に対応し、生産効率の向上に貢献する新たな透明導電材料の開発が求められていました。

そこで当社は、2005年より米国のベンチャー企業Cambrios Technologies Corp.(本社:米国カリフォルニア、社長兼最高経営責任者:Michael R. Knapp)と共同開発を進め、同社が開発した銀ナノワイヤ導電インク「クリアオーム(ClearOhm™)(注2)」と、当社が培ってきたプリント配線板用感光性フィルムの技術を融合した転写形透明導電フィルムを開発しました。本フィルム は、高いフレキシブル性を持ち、ガラスだけでなく、ポリカフィルム、PETフィルムなどのプラスチック基板および、立体的な形状を持つ様々な基材に転写・接着できることに加え、最終製品の仕様に応じて、表面抵抗値の調整が可能(10〜250Ω/sq)であり、ITO並みの導電性と高透明性の両立を実現します。また、本製品はロール状の製品形態で提供するため、ロール・ツー・ロール(注3)プロセスにも適合するほか、ITO成膜で必須であった真空プロセスを一切必要とせず、基板に転写・接着し、露光とアルカリ現像によりファインパターンを形成できることから、顧客の加工プロセスを短縮し、生産効率の向上にも貢献します。

現在、スマートフォンやタブレットPC向けタッチパネル用に国内外でサンプル出荷を進めており、2012年9月までに数十万㎡/月の生産体制の構築を目指します。視認性向上に貢献する透明層間充填フィルム「ファインセット」と共に、拡大するタッチパネル周辺材料市場での売上拡大に注力するほか、本製品の特性を生かし、今後は有機EL、電子ペーパーや、太陽電池といった新規分野への用途展開を図ってまいります。

 

注1.表面抵抗値10〜250Ω/sq(オーム/スクエア)および、全光線透過率85〜91%は1mm厚のポリカフィルムに本製品を転写・接着し、パターニング形成した際の値です。

注2.クリアオーム(ClearOhm™)は、Cambrios Technologies Corp.社の商標です。クリアオーム(ClearOhm™)は同社が開発した銀ナノワイヤ導電インクで、現行のITOや他の透明導電酸化膜に比べ、自然な色調の透明導電層を形成できます。

注3.ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)プロセスとは、主に電子部品を効率的に量産する手法です。例えば、回路パターンが印刷されたロール状の基板と、封止膜等のロール状のフィルム等と張り合わせ、最後にロール状に巻き取ることで、全ての基板が連結するため、搬送に必要な装置や、手間が省け、生産性の向上に貢献できます。

 

= ご参考 =


転写形透明導電フィルムを使用したタッチスクリーンの断面図の一例

 

以上

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