Hitachi Chemical

ニュースリリース

2016年6月1日
日立化成株式会社

次世代高周波対応新規低伝送損失・低熱膨張多層材料
MCL-HS100で「第12回JPCA賞(アワード)」を受賞

日立化成株式会社(本社:東京、執行役社長:丸山 寿)は、このたび「次世代高周波対応新規低伝送損失・低熱膨張多層材料 MCL-HS100」で、「第12回JPCA賞(アワード)」を受賞しました。授賞式は、6月1日(水)16時30分よりJPCA Show 2016/ラージエレクトロニクスショー2016/WIRE Japan Show2016/2016マイクロエレクトロニクスショー/JISSO PROTEC 2016のJPCA賞(アワード)展示エリアにて開催されます。

「JPCA賞(アワード)」は、電子回路技術および産業の進歩発展に顕著な製品・技術を表彰することを目的として創設されたもので、一般社団法人日本電子回路工業会が主催・運営する JPCA Show 2016/ラージエレクトロニクスショー2016/WIRE Japan Show2016/2016マイクロエレクトロニクスショー/JISSO PROTEC 2016の併催企画、出展者製品技術セミナー「NPI(New Product Introduction)プレゼンテーション」の発表者を対象としています。審査は学術界、電子回路業界、専門誌編集者等の委員で構成される選考委員会にて行われ、(1)製品・技術の独創性(独自性・オリジナリティ)、(2)産業界での発展性・将来性、(3)信頼性、(4)時世の適合性、が選考基準となります。今年は、応募テーマ総数14社19件の中から6件が本賞を受賞しました。当社は8度目の受賞となります。

受賞テーマと内容のご紹介

テーマ名 :
「次世代高周波対応新規低伝送損失・低熱膨張多層材料 MCL-HS100」
講演 :
6月3日(金)14:50〜 JPCA Show 2016 2H-NPI会場I
講演者 :
日立化成株式会社 開発統括本部 エレクトロニクス関連材料開発センタ 
積層材料開発部 専任研究員 嶌田友和

また、会期中、JPCA Show 2016の当社ブースで製品展示するとともに、会場内のJPCA賞コーナーでパネル展示を行います。

内容 :
スマートフォンなどに使用されている半導体パッケージ(以下、PKG)の小型化、薄型化および高密度化に伴い、薄型のPKG基板が求められますが、PKG基板が薄くなると、剛性が低下するため、PKGをマザーボードにはんだ実装する際の加熱によって、大きなそりが発生する不具合が表面化するケースがあることから、これを低減するために熱膨張率が低いPKG基板材料が求められています。また、一方で近年の大容量・高速通信化に伴い、情報通信機器で扱う電気信号の周波数は年々高くなる傾向がありますが、信号周波数が高くなるほど、電気信号が回路中で熱に変換されてしまうため、伝送損失が増加し、信号を効率よく伝送することが難しくなります。これを低減するために比誘電率*1と誘電正接*2が低い基板材料も求められています。
*1
比誘電率とは、誘電体に電界を加えた時に生じる分極を表した数値のことで、真空の誘電率との比で示した数値。比誘電率が低い材料は、信号の高速化に有利となる。
*2
誘電正接とは、電気エネルギーの損失の度合いを表す数値のことで、小さいほど伝送損失も少ない。

当社は熱膨張率が低く、そりを低減できるPKG用基板材料の開発を進めるとともに、比誘電率と誘電正接が低く、伝送損失を低減できる高速・ネットワーク用基板材料の開発を行っていましたが、このたび当社独自のポリマーアロイ化技術を生かして、低熱膨張と低伝送損失の双方を併せ持つ基板材料MCL-HS100を開発しました。 また、MCL-HS100と同じ樹脂を用い、ガラスクロスに低誘電ガラスを適用することで、さらに低比誘電率を実現できるMCL-HS100(E)を同時に開発しました。 当社従来品とMCL-HS100(E)の比較は下記のとおりです。

図1.従来のPKG用材料との伝送損失の比較
図1.従来のPKG用材料との伝送損失の比較

図2.PKG基板でのそり量の比較
図2.PKG基板でのそり量の比較

MCL-HS100/MCL-HS100(E)は、PKG基板のそり低減と伝送損失の低減を実現できるため、今後も急速に進展していくスマートフォンや交通インフラ関連等の通信アプリケーションに使用されるPKG基板材料として期待できます。

以上