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ホーム開発ストーリー高精度の自動測定で最大8,640セルの蓄電池を見守るシステムの底力とは?

高精度の自動測定で最大8,640セルの蓄電池を見守るシステムの底力とは?

蓄電池監視システム

日立化成ならではの技術

まず取り組んだのは、無線通信モジュールの内製化だ。設置時に微調整をすることなく、無線子機と無線親機の通信を安定的に維持するために、2本のアンテナを切り替えながら子機と通信する方式への変更を決めた。無線通信に関わる電子回路設計および独自の高信頼性無線通信方式の開発は、当社として初めての試みであり、知見やノウハウが全くない中での挑戦であった。そこで、日立製作所の有識者の知見を仰ぎながら、同社と通信モジュールの共同開発を進めることとした。周囲の電波環境に影響されない電波暗室において試作機の電波送受信強度の測定、シミュレーション計算による回路定数の調整を重ね、ようやく送受信性能の向上を実現した。

次に取り組んだのは、セル単位での状態監視の実現だ。その実現のためには、内部インピーダンスを正確に把握する必要がある。しかし、UPSに接続された蓄電池には、系統および負荷からのリプル電流が混在してしまうという課題があった。より正確なセル単位での状態監視を実現するには、このリプル電流の影響をできる限り排除する回路と、測定アルゴリズムを設計する必要があった。この設計のために、実測したリプル電流の周波数成分の分析と、内部インピーダンス算出に関する測定結果の平均化論理の最適化のため、実験と検証を繰り返した。
こうして、1システムあたりの蓄電池数が最大8,640*セルの「蓄電池監視システム」Gen.2.0がついに完成した。

  • *2V電池の場合。蓄電池の電圧により、蓄電池の監視数は異なります。詳細はお問い合わせください。

今後の展開

当社の蓄電池監視システムをいち早く導入していただいたお客さまからは、「従来の人手を使った、低頻度での点検より、毎日自動で監視できるほうが安心感が高い」「設置後、数年が経過した電源装置に試験導入したところ、すぐに蓄電池の不具合が判明した。他拠点にも導入したい」など、高い評価をいただいている。
また、ある通信事業者様からは、「当社データセンタには、非常時に備えてエンジニアが常駐しているが、彼らはサーバやネットワークが専門で、非常用電源設備や蓄電池には明るくない。しかし監視システムを導入しておけば、そのアラートに対して電池の点検・交換要請ができるので便利だ」と喜んでくださる声も聞かれた。

また、その一方で、蓄電池の放電容量の可視化という、新たな要望をいただいている。この実現のため、1つの周波数で内部インピーダンスを計測する、従来の方法から、異なる2つの周波数による内部インピーダンスの計測に変更し、“蓄電池の放電容量”を推定する技術の確立に取り組んでいる。これによって、蓄電池の交換計画の策定を支援することができると考えている。

今後、非常事態に備えるバックアップ用蓄電池装置は大規模化を続け、設置される蓄電池の数もますます多くなると予想される。
蓄電池数が増加しても、その監視作業量を低減し、かつ確実にバックアップができ、重要インフラを滞りなく稼働し続けられること。それこそが「蓄電池監視システム」の価値である、と開発担当エンジニアは考えている。当社ではその価値を実現するため、監視の精度を高め維持する努力を続けていく。

蓄電池監視システムのソリューション

最大8,640セルの蓄電池を常時監視
データセンタの可用性を支える秘策とは?

蓄電池監視システム

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