ソリューション

ホームソリューション低伝送損失材

ミリ波帯高周波信号にも対応!
次世代高速通信の可能性を広げる低伝送損失材

低伝送損失材

対象業種

基板メーカー/自動車部品メーカー/通信機器メーカー ほか

用途想定

通信機器/レーダー

車の自動運転システムの導入が進む中、市街地での完全自動運転の実現には障害物などの認識や危険予知などに対応できる高度な認識技術の一つとして、ミリ波を検知するためのアンテナの感度を高めることが求められています。日立化成が新たに開発した低伝送損失材「AS-400HS」は、誘電特性に優れ、高周波帯で高いレベルの伝送特性を発現できます。ミリ波帯の高速通信基板には従来、フッ素系樹脂や液晶ポリマなどの熱可塑性樹脂基板が一般的に用いられていましたが、ドリル・レーザー加工が難しく、銅配線との接着性が低いため特殊処理が必要になるなど製造プロセス負荷が大きいという課題がありました。しかし、熱硬化性樹脂系である当社AS-400HSは銅配線との接着性が高く特殊処理が不要なだけでなく、熱可塑性樹脂系材料を凌ぐ低伝送特性を有し、次世代高速通信基板を実現することができます。

課題解決

従来の絶縁基板と比べ銅回路の電気抵抗が減少し、優れた伝送特性を実現

AS-400HSは、従来の熱可塑性樹脂基板と比較し樹脂自体の伝送損失(誘電体損失)が小さく、誘電特性が良好であるため多層化した場合でも優れた伝送特性は維持されます。また、銅との接着性が良いため低粗度銅箔を使用でき、配線回路の損失(導体損失)も抑制できます。これにより、自動運転をアシストする感度の高い高周波帯多層アンテナなどへの適用が可能となります。

接着剤が不要で高周波回路の多層化が可能となり材料削減・簡素化に貢献

基板回路の処理能力の向上には、高周波回路の多層化が欠かせません。従来の熱可塑性樹脂の基板材料の場合、積層するためには接着剤が必要でした。AS-400HSを用いれば熱硬化性樹脂のため積層時に接着剤が不要となり、材料の削減・工程の簡素化に貢献します。また、多層化した場合でも優れた伝送特性は維持され、配線板回路設計の自由度向上に貢献できます。

特長

高周波帯での優れた伝送特性

AS-400HSは、樹脂による誘電体損失と銅箔による導体損失の両方を抑制することにより優れた低伝送特性を発現します。また、ミリ波帯(≧30 GHz)以上においても優れた伝送特性を有しています。

優れた加工性

レーザー加工によるビア断面図

レーザー加工によるビア断面図

AS-400HSは、FR-4に同様のプロセスでドリル加工やレーザー加工が可能で、めっき前プロセスもプラズマ処理などは必要なく、一般的なウェットデスミアで対応可能です。製造プロセスに関しても、200 ℃程度で成型可能であるためフッ素系樹脂のような高温を必要とせず一般的な配線板製造プロセスで対応できます。また、独自のフィラー配合技術により成型後の樹脂層は均一になっているため、誘電率の面内バラつきを抑制できます。

※Flame Retardant type 4の略:ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させ、熱硬化処理を施し、板状にしたもの。難燃性と低誘電特性を両立した素材。

低伝送損失材の開発ストーリー